「非言語コミュニケーション」が持つ6つの力・9つの要素①
はじめまして、HIROKIです。
普段、人とコミュニケーションをとるときは言葉での会話がほとんどだと思います。
いわゆる言語コミュニケーションというものです。
ですが、印象においては言語コミュニケーションよりも非言語コミュニケーションの方が大切になってきます。
あなたは、友達や恋人と話すときはどこを見て話をしていますか。
「手の動き」や「足の動き」、「視線がどこを向いているか」など意識してみることはないけれど、ふとした時に気になる方もいるのではないでしょうか。
印象の65%は「非言語」で決まるといわれている。
アメリカのレイ・L・バードウィステルが、印象形成について、何がどの程度影響しているかを研究では、言語によるコミュニケーションは35%に対して、見た目や、しぐさ、振る舞いなどの非言語コミュニケーションは65%にもなる。
実際、初対面の人から得られる情報は見た目からがほとんどで、よく「最初の印象が大事」と言われるのもよく聞きます。
非言語コミュニケーションの6つの機能
非言語コミュニケーションには、言葉を「補完」「強調」「反復」「調整」「置換」「矛盾」がある。
なかでも、「矛盾」がやっかいで、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションがそれぞれ矛盾したメッセージを出しているということ。
たとえば「笑顔なのに辛辣な皮肉を言う」という言葉があります。
言葉では謝罪しているのに、見た目や態度からはまったく謝意が感じられない、というようにいえる。
言語と非言語がそれぞれ異なるメッセージとなると、受け手側は混乱してしまいます。そして、その矛盾がさらに心地悪さを感じさせてしまいます。
そのため、言語メッセージと非言語メッセージは統一させること、矛盾させないことが大事となってくる。
いい中身は、いい外見があってこそ伝わる
人には内面と外面がありますが、多くの人は内面を磨くために一生懸命勉強や、知識を身につけようとします。
ですが、内面というものは言葉を尽くしても、そう簡単には人にはわからないものです。
たとえば、どれだけ自分が「優しい」「きれい好きだ」と思っていても、初対面の人には伝わらないはず。
しかし、外面というのは誰にでもわかります。
少なくとも、外面の変化には周りは気づいてくれるものです。
非言語コミュニケーションは9つの要素に分けられる
大きく分けて3つのカテゴリーに分けられ、さらに9つの要素に分けられる。
ふるまい
「振」:姿勢、歩き方、座り方、しぐさなど
「顔」:表情、目線、笑顔など
「声」:トーン、スピード、滑舌、声量、口調など
「間」:沈黙、間など
「触」:握手、ソフトタッチなど
しつらえ
「場」:距離感、座る位置、会議の場や会食の店の選び方など
「時」:訪問やメール、電話などのタイミング、時間の使い方など
よそおい
「装」:ビジネスにおけるファッション、清潔感、小物の選び方など
「色」:ネクタイなどの小物の色、柄など
ふるまいから1つ1つみていきましょう。
しつらえについてはこちらをどうぞ。
よそおいについてはこちらをどうぞ。
・できる印象をつくる「立ち方」と「歩き方」
先にお伝えすると、正しい立ち姿勢は、背中を壁につけて確認することができます。
まわりから「姿勢が悪い」って言われたことがある人は多いのではないでしょうか。僕自身もまわりからよく言われることがありますし、自分でも姿勢が悪いなって思うことがよくあります。ちなみに根っからの猫背です(笑)
では、正しい姿勢とはどのような姿勢なのか。
それは、壁に背中をつけて立った状態で、後頭部、背中、お尻、ふくらはぎ、かかとの5つのポイントが壁にきちんとついていれば大丈夫です。
・プレゼンでは、腕と胸の間に「隙間」をつくる
たとえば、「プレゼンの内容はとてもいいのに見ていて気分が落ち着かなかった」なんてことがあるとします。
その理由は、プレゼンターの体が左右に揺れていたからというもの。
なぜ気分が落ち着かなかったのか。それは、人間の視覚には、動いているものに目を奪われるという特性があります。
プレゼンでの立ち姿勢で重要なのは体重を均等にしてまっすぐ立つ、ということ。
その際、腰から下に手を落とさない方がいいとよく言われており、かのスティーブ・ジョブズのプレゼンでも手を腰から下に下げることはほとんどなかったといわれています。
そこで、ポイントになるのが、軽く腰に手を当てて胸を腕の間に三角形の隙間をつくることです。そうすることで自信があるようにも見せることができます。
・「3秒で5歩」を意識すれば、正しい歩き方になる。
歩く姿は、日常的に人に見られているもの。もしかしたら良くない印象を持たれているかもしれません。
だけど、どんな歩き方だったらいいのか・・・
歩き方の理想としては、
・3秒で5歩のペースで歩く
・顎を5度くらい上げる
・膝を曲げずに、腰から歩くイメージで
・背筋を伸ばす
これを意識できていたら、少なくとも良くない印象になることは少ないと思います。
「振」で操作する
相手に不快感を与えない「座り方」
「前のめり」は、相手への関心のメッセージ
前のめりになることで、相手に「あなたに関心があります」というメッセージになります。
また椅子に座るときは、前半分を使って座ったり、両手はテーブルの上に出すなど、
テーブルがあるときは、手をテーブルの上に置くことで相手を安心させることができます。
相手がいるのに携帯電話を見るのも、「自分に関心がないのかな」と思われてしまうので、できるだけ控えたほうがいいでしょう。
「振」で操作する
気持ち良く話してもらう「聞き方」
腕組みは「拒絶」のしぐさ
腕組みというのは、心理学的にはそもそも「拒絶」のしぐさ。あまり近寄らないで、というメッセージを相手に与えてしまいます。腕組みがクセになっている人は、無意識のうちに、それによって自分を守ろうとしている印象になります。
うなずき、相づちはオーバー目に
大事なのは、「聞いています」と伝えるには、オーバーリアクションを意識したほうがいい、ということ。
「顔」で操作する
周囲に誤解を与えない「表情」
表情で「こういう人だ」と判断されている。
あなたの表情もいろいろな人から常によく見られていて、その表情をもとに、あなたがどんな人か、どんな状況にあるのか、どう思っているのかを推測されているということ。
表情は、想像以上に人に見られている。
表情は、間違ったメッセージも出してしまう
興味深く聞いているのに、そうでない表情や態度になってしまっていたら、相手からは「つまらないんだな」「面白くないんだな」と判断されてしまう。
まじめなのに損をする人たちは、もしかしたら間違った表情をしがちなのかもしれませんね。
かくいう、僕も表情は注意されることがあるので気をつけたいところではあります。
やってしまいがちな「NG表情」
・眉根を寄せる→話していることがよくわからない/変なことを言っている/違和感がある
・目を閉じる→退屈/他のことを考えている
・目をそらす→自身がない/話したくない
・他人に目をやる→同意できない/他の人の意見を聞きたい
・口を突き出す→違和感がある/不満
・口を一文字に結ぶ→言いたくないことがある
・口をへの字に曲げる→つまらない/不服を感じる
・口の片方だけを上げる→皮肉な気分になっている
たくさんあって、見るだけでも嫌になりますね...
対策として
鏡を定期的に見る。机の上に鏡を置くなど。
親しい人に、おかしいクセはないか聞いてみる
普段何気なくしてしまっていることが、不遜な態度や感じの悪さをつくってしまっていることがあります。
「顔」で操作する
目は口ほどにものを言う「目線」と「目つき」
なぜ「目は口ほどにものを言う」のか?気になりますよね。
目線や目つきって、想像以上に相手にメッセージを伝えてしまっているからなんですよね。
特に目線は意識しないと下に向いてしまいがちです。
なので、下を見る必要がないときは、できるだけ目線を上げるよう心がける。これだけで、印象は大きく変えられます。
大勢の前で話すときのアイコンタクトは「2秒」
たとえば、プレゼンテーションや会議など、大勢の人を相手に話をするとき。この場合は、基本的に一人に目線を合わせる長さは「2秒間」と考えるといいでしょう。
1対1のアイコンタクトは、相手を見ているのが基本。
7割が相手の目、3割がそれ以外、というイメージ。
目つきが悪い人は、だてメガネをするのもひとつです。
また眉毛が薄い方や目つきが悪いと指摘された方も、メガネを使ってみるのもありだと思います。
「顔」で操作する
人間性が現れる「笑顔」の作り方
暗い人よりも、明るい人に人は近づく
顔を変えることはできないですが、「顔つき」は変わるもの。そして顔つきは、意識で変わります。心を明るくしていくこと、笑顔を心がけていくことで、変わっていきます。
すぐれた経営者の共通項は、笑顔の素敵さである
すぐれた経営者の共通項としては、「笑顔」の素敵さがある。その意味で、笑顔をつくる努力は、ビジネスパーソンにはとても大切な習慣である。
「元手がいらない。しかも、利益は莫大。
与えても減らず、与えられたものは豊かになる。
一瞬の間みせれば、その記憶は永久につづく。
どんな金持ちもこれなしでは暮らせない。どんな貧乏人もこれによって豊かになる。
家庭に裕福を、商売に善意をもたらす。
友情の合言葉。
つかれたものにとっては休養、失意の人にとっては光明、悲しむものにとっては太陽、悩めるものにとっては自然の解毒剤となる。
買うことも、強要することも、借りることも、盗むこともできない。無償で与えてはじめて値打ちが出る。」
「人を動かす 新装版」(D・カーネギー著 創元社)より
怒った顔を見たら怒った顔に、笑顔を見たら笑顔に、と相手と同じ表情になろうとする。だから、笑顔が重要になります。
人生を変えていく笑顔のつくり方
口輪筋を鍛える
→「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」の順で口を大きく動かすこと。上を向いて行うと、より効果的。
ボイストレーニングの先生に聞いた、本来は滑舌をよくするためのトレーニングですが、素敵な笑顔をつくるのにも役立つ。
上の歯が出るように意識する
→歯が見えている笑顔と、歯が見えていない笑顔とでは、まるで印象が異なる。やはり自然な笑顔は、歯が見えている笑顔。特に上の歯が出るように意識しておくと、自然な笑顔になる。
「声」で操作する
ポジティブに聞こえる「トーン」「スピード」「滑舌」「声量」
→印象の良い声の4つの要素とは?
ポジティブ→力のある声、明るい声、よく通る声、響く声、柔らかい声
ネガティブ→小さい声、か細い声、暗い声、うるさい、甲高い声、こもる声、ダミ声
声はトーンとスピードで使い分けられる
→生まれ持った声は変えられないと思われるかもしれないが、実は場面によって適切に使い分けることができる。
→部下にネガティブなフィードバックをするときは、声を低め、スピードもゆっくり目にして「誠実型」、コンサルタントのような切れ者系であれば、スピードを速める一方でトーンは低めにして「スキル型」を目指す。場を盛り上げるなら、ハイトーンでスピードも速い「情熱型」がいい。
→人間、声質そのものは変えられないが、「トーン」と「スピード」、「滑舌」や「声量」を加えて、声が与える印象を変えることはできる。
口を開けずにしゃべると、途端に感じが悪くなる
→どうすればいいのかというと、口を「横」ではなく「縦」に開けるような意識を持つ。縦に開けるようにすると、明るい声が出て感じがよくなる。
滑舌をよくするとっておきの方法
→のどを開く:あくびをするように口を大きく開く。その状態で「はぁー」と声を出す。
→舌の動きをよくする:口を大きく開き、舌を出し、左右に動かす。
→口の動きをよくする:「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」を繰り返す。
→唇の動きをよくする:「イウ・エオ・オア」を繰り返す。
声量も大事なポイント、場面に応じて使い分ける
→まずは、自分の声のクセを自覚する、ということが大切。声のトーンはどうか。早口すぎる、もしくはゆっくりすぎるしゃべり方をしていないか。滑舌はいいか。声はうるさいほど大きすぎたり、逆に聞こえないほど小さすぎたりしていないか。
場の空気を制する口調を意識する
相手に何を伝えたいか、また相手にどんなふうに受け取ってほしいかを踏まえ、その場にふさわしい口調、そして声の要素を見つけることが大切。
「間」で操作する
一番伝えたいことを伝える「間」の取り方
・講演やスピーチで沈黙をうまく使う
→何かをしゃべっていたと思ったら、大事なところで、いきなり黙る。沈黙する。そうすると、空気がシーンと張り詰める。聴衆は一気に引き込まれ、話者に飲み込まれていく。
・沈黙の3つの意味を理解し、「2秒」は黙る
「間=沈黙」の3つの意味
→考えさせる間
→同意を求める間
→期待させる間
大事なのは、何のために沈黙を使うのか、ということ
・コミュニケーションにおける間の重要性を知る
沈黙それ自体は「無」なので、それ以外の相手のしぐさや表情で、正しい沈黙の意味を理解する必要がある。黙っていることそのものも、1つのメッセージとなる。
「触」で操作する
親しみを深める「握手」「ソフトタッチ」
・握手は、下を向かず、相手の目をしっかりと見て行う
→ポイントは、力強く手を握ること、そして握手をしながら相手の目をしっかり見ること。
→握手にお辞儀は必要ない。顔を上げ、ちゃんと目を見て、胸を張って、適度な強さで握る。そうすると、印象の良い握手ができる。
・相手に触れることで、親しみが深まる
→親近感が湧いたり、相手との距離が縮まったように感じたりする。握手は、身体接触の基本的なもの。相手に触れるという行為が、触角を通して脳に親しみという情報を伝える。
・ソフトタッチも、関係性を見極めて挑んでみる
→信頼関係ができた上で、そこからさらに親密度を高め、距離を縮めていくためにソフトタッチを使うとよい。
まとめ
ふるまい
「振」:姿勢、歩き方、座り方、しぐさなど
「顔」:表情、目線、笑顔など
「声」:トーン、スピード、滑舌、声量、口調など
「間」:沈黙、間など
「触」:握手、ソフトタッチなど
これらを意識することで相手が感じるあなたの印象を変えることができます。
まずは、どれかできそうなものから試してみるのはどうでしょうか。
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